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あの神様と話してて、突然足場がなくなったと思ったら…
気づいたら、森の中にいた。
「………」
どうしたらいいのか分からない。
私は木の根元に腰を下ろし、今までのことを思い出していた。
と言っても生前のことは覚えていないから、神様との会話のことだけだけれど。
私の名前は?
ローナ。
大丈夫。自分のことはちゃんと覚えてる。
神様は、私にアビリティをくれると言った。
『人形を自由に作れるアビリティをプレゼントしてあげるよ!』
……どうやってだろう。
仮にそんなアビリティを持っていたとして、
出し方が分からなければどうにもならない。
不安になってしまい、足元の草をブチブチと千切る。
でも、そんなことをしてもどうにもならない。
「……人形さん、出ておいで」
答えに窮して、そんな言葉が口を突いて出た。
ポンっ
いきなり軽快な音がして、手元の草が弾ける。
「うわ!?」
思わず叫びながら立ち上がり、1メートルくらい後ろにのけぞる。
私が座っていた場所に転がっていたのは、
少し大きめのテディベアだった。
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