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「…人、形?」
私は恐る恐るそのテディベアに近づき、拾い上げる。
それは、紛れもなくふかふかと柔らかいテディベアだった。
「……あ、あれ?」
突然涙が溢れ出し、止まらなくなる。
なんで泣いているのか分からない。
なんで?なんで??
自分で答えを出せないまま、涙が止まらなくなってしまう。
私は思わずそのぬいぐるみを抱きしめた。
「…そこにいるのは誰ですか?」
そんな声が後ろから聞こえてきたけど顔が上げられない。
涙がテディベアを濡らしていく。
濡れて冷たくなっても、涙は止まらない。
「…あのう?」
さっきの声が今度は真後ろで聞こえた。
私はようやく顔を上げ、その人の顔を見る。
……お兄さんかな?
お姉さんにも見えるけど、少し声が低いからきっとお兄さんだ。
優しそうな顔で私を眺めていた。
「貴方の星は、とても淡い色ですね…
何か、悩み事でも?」
その言葉に、私は目を見開く。
私はそんなに思いつめた顔をしているのだろうか?
…いや、泣いているからそう思われたんだろうか?
でも、星ってなんだろう?
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