2:星の色は何色?

4/9

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
私に目線を合わせるように少し身をかがめて、その人は笑う。 「申し遅れました。ボクは深瀬 和杷と言います。 皆さんが持っている星を見て、占いをすることができるんです。 …ほら、こんな感じに。」 和杷さんはそう言って、手元をキラリと光らせた。 そこには水色でキラキラと輝く星があった。 「貴方の星は今、とても薄いです… きっと悩み事があるんでしょう?」 和杷さんはそう言って微笑む。 私は頷く。 悩みというか…ここに来たばかりで、何も分からなくて、ただただ怖かった。 「お名前は?」 「…ローナ・ミクソンです」 私は和杷さんの問いに答える。 この人はきっといい人だ。 何かを、教えてもらえるかもしれない。 「…やっと話してくださいましたね」 その言葉で気づく。 そういえば私は、和杷さんの言葉に反応するだけで一言も返していなかった。 「何か力になれることはありますか?」 和杷さんの問いに、私は頷く。 「この世界のことが分からなくて、怖くて… これからローナは、どうやって生きていけばいいんですか?」image=490127238.jpg
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加