15人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
和杷さんは鉄の扇のようなものを取り出して構える。
私は目の前で何が起こっているのか分からなくて、戸惑いながらそれを見ていた。
鉄の扇でフラグメントの攻撃を避けながらもダメージを与えていく和杷さん。
その顔は真剣で…そして苦しそうに見えた。
…負けてしまうんだろうか?
負けたら、どうなってしまうんだろうか?
…私にできることは?
ここで、和杷さんの後ろに隠れているだけ?
私は悔しくて、でも一歩も足をうごかせない自分に苛立ち、手に力を込める。
…そこで、手に持ったテディベアに気づいた。
……そうだ、ぬいぐるみに、武器を持たせたらどうだろうか?
可愛いだけのアビリティなんて、いらない。
ダメ元でいい、挑戦してみよう。
「熊さん、
…鉄砲、持てる?」
次の瞬間、熊の右手が光り…
鈍く光る銃がそこにあった。
「熊さん、和杷さんの援護して」
私がそう言うと、熊はすぐに私の手を抜け走り出し、フラグメントに向かって発砲した。
最初のコメントを投稿しよう!