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「…ローナさん、なんともありませんか?」
ふと気づくと、心配そうな顔で私の顔を覗き込む和杷さんがいた。
「…大丈夫、です。」
温かな気持ちに包まれていた。
あの人は、私のお父さん。
あのテディベアは、お父さんがくれたもの。
「……和杷さん、本当にありがとうございました」
私は改めてお礼を言う。
この世界で、初めて出会ったのが和杷さんで本当に良かった。
そして、一緒に戦ってくれて…記憶を取り戻せてよかった。
もっと記憶が欲しい。
もっともっと。
もっと、温かくなりたい。
このままだと、心が寒くて寒くて、凍えそうだ。
「いえいえ。また困ったことがあったら声をかけてくださいね?
それと、悩みは消えたみたいですね。
今の貴方の星は、とても綺麗に光ってますよ」
和杷さんの優しい微笑みを受けながら、私は歩き出した。
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