3:ふわふわ

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困ったことがさらにもう一つ。 大慌てで鳥を追いかけたせいで、ここがどこか分からない。 …元いた場所に戻れるかな。 一応雨風のしのげる場所を、見つけてたのに。 「…あの、大丈夫ですか……?」 後ろから可愛らしい声がして、私は振り返った。 「…っ」 ぼんやり木の上を眺めていたから、全然気づかなかった。 長い髪に、綺麗な紫の瞳。 着ている黒の服は、少しだけ今日のお人形さんの服に雰囲気が似ている気がする。 困ったように、こちらを見つめるその人。 この人も、人と喋るのはあまり得意じゃないんだろうか? 「……木に、人形が、引っかかっちゃって」 思わずそう答えてしまった。 彼女はその答えに、木の上を見る。 「…あ、あれ、ですね?」 引っかかってる人形を見つけて指をさす。 私が頷くと、にっこり笑ってこういった。 「私に任せて」 そう言うと、また人形の方を向いた。
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