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どうやって取るつもりなんだろうか。
私が疑問に思いながら人形に目を戻すと……
「えっ」
思わずそう言わずにはいられなかった。
私の人形は、ふわりと柔らかく木から離れて、フワフワと飛んだ。
驚き、開いた口がふさがらない私をちらりと見てから、彼女はクスッと笑っていた。
その人形はふわりと私の腕の中へと飛び込んできた。
「……ありがとう…ございます」
まだ事態が呑み込めていなかったけれど、私は彼女に頭を下げた。
「いえいえ。
…あなたのお名前は?」
「……ローナ・ミクソンです」
「ローナさんね、よろしくお願いします。
…私は、佐々木千夜子。こうやってーー」
私の身体が重力を失う。
ふわりと身体が浮いて、足の裏が軽くなった。
「…私の近くのものを、浮かせることができるよ」
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