4:微笑み?

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私と和杷さんは、並んで歩いていた。 思えば今まで、私には頼れるものなんて何もなかった。 フラグメントが出たら倒す。 自分の欲のために記憶の欠片探し。 住む場所なんてないから、森の中で寝てた。 お人形さんは寝ないから、私が寝ているときは番をしてくれていたんだ。 食べ物は道端の草とかを食べてた。 木の実を見つけた日はちょっとしたごちそう気分だった。 これは本当なら食べるものじゃない、ってことくらいは分かっていたけど、 どうせ生前の記憶はなくて、美味しいものの味も思い出せないんだから 美味しいものを食べる必要はないかなと思っていた。 ……それでも、生きていけると思ってた。 なのに、春希さんも和杷さんも、なんで私にこんなことしてくれるんだろう? こんな厄介なだけの存在なのに、なんで一緒に暮らそうなんて言ってくれるんだろう? ……でも、確かに怖かったんだ。 一人ぼっちで夜の森にうずくまるのは。 「ローナさん」 ふと、和杷さんに声をかけられる。 和杷さんの方へ顔を向けると、暖かく微笑みかけてくれた。 「今日からここが、ローナさんの家ですよ。」 …そうか、でも、もうそれは終わりなんだろう。 「…ご迷惑をかけてごめんなさい、ローナ、迷惑かけないようにします」 私は和杷さんに深く頭を下げた。
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