4:微笑み?

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すると、和杷さんは下げた私の頭を撫でてくれた。 「そんな緊張しないでいいんですよ? ここはもう、ローナさんの家なんですからね」 その言葉に、もう一度和杷さんの方を見る。 さらに笑みを深くし、私のことを見つめてくれていた。 「…ごめんなさ……」 そこまで言って口をつぐむ。 和杷さんが少しだけ寂しい目をした気がしたから。 「………… ………ありが、とう」 ……こんな言葉、長い間言ってなかったな。 それに気づいた途端、涙が溢れ出た。 驚いた表情の和杷さんが一瞬で滲んで、見えなくなった。 「…大丈夫です、ちょっと、……止まらないだけなんで」 私は困惑した表情の和杷さんのことを見つめ返した。 「…和杷さん、ありがとう。 これから、よろしくね…?」 その時自分は気づかなかったけど、 私の口には、少しだけ、笑みが浮かんでいたらしい。
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