第1章

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繁華街を歩き駐車場に向かった。 車のエンジンを掛け、晃に言い聞かせる様に、 「腹も一杯になったから、行くか」 車を走らせた。途中で花を買い目的地の墓地に着いた。 エンジンを切り、 「お前は降りなくても良いぞ」 一寸、厳しい表情だったので、晃は残っている事にした、 一徳は、墓の前で、手を合わせていた。 同僚だった石崎の墓だった。 二年前の潜入捜査で、殉職した。 自分が潜入する事を直訴したが、顔が割れている理由から、潜入は無理だと。 石崎は、刑事に成り立てで経験も浅いが、上からの命令で任務についた。 潜入から、一週間後に殉職した。 犯人らしき人物は、捕まえたが主犯格にはたどり着かなかった。 一徳は、目星は付けていたが、犯人らしき人物を捕まえた事で、捜査本部は解散し捜査は打ち切りとなった。 手を合わせながら、石崎に頭を下げていた。 「また、来るからな」 一徳は、ロウソクの火を消した。
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