19人が本棚に入れています
本棚に追加
晃の待っている車に戻り、
「晃、運転変われ」
「はい」
助手席に乗り込み出発した。
「五代目、寺に戻りますか」
「ああ」
その時、後ろからパトカーがサイレンを鳴らしながら、追い抜いて行った。
「事故ですかね」
「晃も気を付けれよ、坊主が事故ってカッコ悪いからな」
と言っている最中、一台の車がパトカーの後を追う様に、追い抜いて行った。
「晃、あの車を追えー!」
「今、安全運転の話してたじゃないですか」
晃の頭を小突きながら、
「つべこべ言わないで、あの車に追いつけ」
「これが精一杯ですぅ」
追い抜いて行った車は、県警の覆面パトカーだった。
元刑事の勘がはたらいた。
普通であれば電気が走ったという表現だが、仏に使える身、一徳の頭の中では凛の音が響いた。
晃の運転する車は、覆面を見失う事無く遠巻きながら付いて行った。
最初のコメントを投稿しよう!