side K

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「……し、し、失礼します」 まるで謁見の間。 本来なら王子の向かいに座れて喜ぶべきところを、まるで背中が石にでもなったかのようにカチコチになってしまうのは、私が彼に対してだけ極度の緊張しいだから。 「どうも」 そう返事をして、座った私に合わせて目線を上から下へと落とした南条さんは、キレイな指で、キレイな箸使いで生春巻きを口に入れた。 少し下唇についたナンプラーソースを、舌でゆっくりと舐め取る。 「……」 ……やらしい。 なんか、所作の一つひとつがやらしゅうおはします、南条公。 「小宮さん」 「ふぁいっ!」 びっくりしたー! 「そのビール、杉中さんのじゃないですか?」 「おわっ! そうでしたっ」
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