31490人が本棚に入れています
本棚に追加
けれども、残念なことに、いや、私にとっては幸運なことに、彼には愛想というものが欠けていた。
表情が乏しく、口数も少なく、彼にアプローチした女性社員の半数以上が断念してくれた。
だからといって、……うん、だからといって私の勝算が上がったわけではないんだけど。
えぇ、身の程なんて十分承知していますよ、なんてぼやいていた今年4月。
彼は営業1課から2課へと異動、そして私がその補佐につくことになったもんだからもう。
……もう。
最初のコメントを投稿しよう!