side K

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「……」 見るな、見るな。 見ると意識して他の社員ともまともに話せなくなってしまう。 今日も麗しき南条公は、私とは対角線上、向かいの一番端の席で陽が落ちたばかりの海を眺めては、ビールを口に運んでいる。 彼の下についてからというもの、良くも悪くも、心休まる時がない。 仕事中、業務に関しては一応社会人として普通に接しているものの、気を抜くと仕事の合間でも、今みたいに見惚れて脳ミソも顔も溶けそうになる。 だからといって、こういう場で気軽に話すには恐れ多くて、というよりも免疫不全の私は緊張でガチガチになってしまい、このくらいの距離でお顔をコソコソ盗み見するのがちょうどいい。 …………あぁ。目に心地いい……。 そう思いながら1杯目のビールのジョッキを空けた。
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