第1章あらため ひとぉーっつ!

10/21
前へ
/23ページ
次へ
男が涎を垂らしながら近寄ろうとしたところ。 「残念だったわね。今夜は私が相手よ。」 くるりと振り返った女性の姿が、突然変化した。 「な!?なんだ、これは!」 驚く男の周囲に、さらに現れる4つの影。 「現れたな、この変態ストーカーめ!りりかちゃんの純潔は、俺たちが守る!」 「か弱い女性に何てこと企んでるのよ!このDT!」 「辰吉さんの血圧のためにも、お孫さんには手を出させない!」 「道端での邪な行い!許せません!」 「この頭の傷に誓って!これ以上好きにはさせるものか!」 「うううう!眩しい!!」 男は、自分を取り囲む者たちが激しく発光したので、思わず目を瞑った。 その光の奔流の中で、彼らが名乗る。 「燃える血潮に正義の心!町内の平和は俺が守る!情熱の赤!」 「はかない肢体に乙女の心!傷つきやすいハートの守護神!魅惑の桃!」 「貧乏人にはめぐみの心!金の力を正しく使う!財力の金!」 「道行く人々に慈愛の心!大地すべてが私の住処!自然の緑!」 「え、ええと・・・考えておきます!黒!」 5人が同時に叫ぶ。 「我ら!一切衆生救済組織ブッキョーンの遊撃隊!その名も!  菩薩戦隊ジゾッチャ5(ファイブ)!!」 それぞれにポーズをとるのは。 五体の石の地蔵であった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

663人が本棚に入れています
本棚に追加