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そんな二人の言葉はさておき。
「みんな!見えたわね!?オーッホホホホホホ!」
下品な笑い声をあげながら、桃がびしっと男を指した。
「心眼で、あんたのコートの中はお見通しよ!なによ、そのちくわと2つの薩摩揚げは!」
「やめなさい、桃。下品です。」
緑が、すかさず手に持っている錫杖で桃の頭をかっ飛ばした。
「あー、ちくわねえ・・・ちくわ・・・粗末だなー。」
「薩摩揚げとはあんなものなのか?うちにそんな貧乏くさいものは出されないから分からない。」
赤と金の言葉に、男は真っ赤になりながらコートを握りしめる手に力を込めた。
「う、う、ううううるさい!この化け物が!お、おお俺のりりかちゃんをどこにやった!?」
「まず第一に。我々は化け物ではありません。ありがたい地蔵菩薩です。」
もはやパニック寸前の男の前に、緑が進み出た。
「第二に。りりかちゃんはあなたのものではありません。彼女は彼女自身のものです。
第三に。どこにもやりません。あなたに目くらましをかけて、このカマピンクをりりかちゃんに見せかけただけです。今頃、りりかちゃんは自宅に無事に帰り着いています。」
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