第1章あらため ひとぉーっつ!

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そんな二人の言葉はさておき。 「みんな!見えたわね!?オーッホホホホホホ!」 下品な笑い声をあげながら、桃がびしっと男を指した。 「心眼で、あんたのコートの中はお見通しよ!なによ、そのちくわと2つの薩摩揚げは!」 「やめなさい、桃。下品です。」 緑が、すかさず手に持っている錫杖で桃の頭をかっ飛ばした。 「あー、ちくわねえ・・・ちくわ・・・粗末だなー。」 「薩摩揚げとはあんなものなのか?うちにそんな貧乏くさいものは出されないから分からない。」 赤と金の言葉に、男は真っ赤になりながらコートを握りしめる手に力を込めた。 「う、う、ううううるさい!この化け物が!お、おお俺のりりかちゃんをどこにやった!?」 「まず第一に。我々は化け物ではありません。ありがたい地蔵菩薩です。」 もはやパニック寸前の男の前に、緑が進み出た。 「第二に。りりかちゃんはあなたのものではありません。彼女は彼女自身のものです。  第三に。どこにもやりません。あなたに目くらましをかけて、このカマピンクをりりかちゃんに見せかけただけです。今頃、りりかちゃんは自宅に無事に帰り着いています。」
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