第1章あらため ひとぉーっつ!

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「お、おおお俺をどうするつもりだ!地獄にでも落とすってのか!?や、やれるもんならやってみろ!」 コートの中にちくわと薩摩揚げをぶらさげている男が、開き直った。 「馬鹿者!我らの属する組織は、一切衆生救済組織だと言ったはずだ!つまり!貴様も救うのだ!」 「ちょーっと手荒い救いになるけどね。愛の鞭よぉ、覚悟なさい。」 地蔵たちが、男を取り囲んだ。 ちょうど均等の距離を開けているので、地蔵たちを線で結ぶと五芒星ができる、つまりお星様。 「私たちにあるのは、無限の大慈悲の心です。いかにあなたが情けない心とお粗末くんなものの持ち主であっても、その心を救いましょう。」 「二度と女性を襲わないように。我らが同胞に傷を負わせて罪を重ねないように。」 緑に続いて、黒が言い放った。 割られた石の頭は痛まないが、地蔵を手にかければいずれこの男は地獄に堕ちてしまう。 それすらも彼らは救おうというのだ。 方法はアレだが。 ちょっと、アレだが。
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