第1章あらため ひとぉーっつ!

15/21
前へ
/23ページ
次へ
「愚か者。それだけではありませんよ。」 「・・・なあっ!!うひゃあああ!!」 嫌な予感がして、男はコートの前を広げ・・・絶叫とともに崩れ落ちた。 脇毛がない。 すね毛がない。 ちくわの周囲のウェーブした毛もない。 さらに。 「は・・・は・・・はくしょん!」 「5人分ですからね。黒の技で、あなたの鼻毛も落としておきました。なので、あなたの鼻から雑菌入り放題です。花粉も入り放題です。これからの季節、厳しいですが、これもまた修行の道と思って受け止めなさい。」 穏やかな口調だが、言っていることはとんでもない。 男は、ショックのあまり放心した。 だって、ないのだ。 あちこちツルツルなのだ。 誰に見られても恥ずかしい全身状態になったのだ。 「贅沢な技なのよお、これ。女性ならこの技で永久脱毛してほしいって思うもの。あ、私もね、ツ・ル・ツ・ル・なのよ?見るぅ?」 「気色悪いものを人間に見せようとしない。徳が下がりますよ。」 緑はそう言ったが。 こんなえげつない技を繰り出す地蔵たちに、どのような徳があるというのか。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

663人が本棚に入れています
本棚に追加