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「おまえな、地蔵は本来、本部勤務が望ましいほどの力の持ち主なんだぞ。」
ヴォン・テン長官が、まじめな顔になった。
「だというのに、やつらは本部におっては衆生の救済なぞできぬとここから飛び出しおったのだ。
よいか?地蔵はな、たった一人で賽の河原に入り込み、地獄の鬼どもすべてをかしずかせるほどの実力者なのだぞ。
それが、あの小さな島国日本で増殖しおって!力が分散されたのではない!一体一体がすべて同等の力の持ち主だ!
それが!本部に顔も出さず!部隊だの何だのと好き勝手に!本部から出ないわしに対し、あてつけのような報告書を大量に送りつけてきて!」
「長官。」
ようするに。
「本部で机に向かっているより、自由気ままに救済活動を行っている彼らが羨ましい、と。」
「・・・・・・・・・・・・・・・うん。」
それでも、長官の代わりは誰にも務まらない。
事務次官は、がっくりと肩を落とした長官の肩を慰めるようにぽんぽんと叩くと。
報告書に目を通してもらうために、書類に埋もれかけた机に誘導した。
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