第1章あらため ひとぉーっつ!

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草木もぐーすか丑三つ時。 月明かりと星明かりのみの屋外に集まる4つの影。 「よし、全員集合したな。これより、定例会議を始める!」 口火を切ったのは、コードネーム【赤】。 着衣が赤いのみならず、胸の内の情熱も暑苦しいほど赤々と燃えたぎっている熱血漢なのだ。 「今度はどんな案件かねえ。金銭で解決することだったら、いくらでも活躍できるんだけれど。」 僕は非力だからねぇ、とわざとらしく肩を竦めてみせるのは、コードネーム【金】。 【黄】ではない、【金】。 彼は、この地域一帯の昔ながらの地主にしてあちこちに不動産やら山やらの権利を持つ金満家の元に身を寄せているから、金持ちの【金】。 「お金で解決しようとするのは、よくありません。それより、意見を出し合いましょうよ。きっちり検討して、今回我々が手掛ける案件を決定しましょう。」 冷静に場を仕切ろうとするのは、コードネーム【緑】。 足元が常に緑色、いやこれは靴とか靴下ではなく。
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