第1章あらため ひとぉーっつ!

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それから3日後。 すっかり辺りが静まりかえった夜の10時。 「ぐへへへ。今日はりりかちゃん、遅番でこれから帰ってくるはずなんだ。げへげへ。」 トレンチコートをボタンも留めずに両手で合わせている変態ど定番の男が一人、待ち伏せていた。 コートの下は、想像通りだろう。 実年齢=彼女いない歴を如実に語るようなその男は、電信柱の陰に隠れていた。 やがて。 「りりかちゃん!」 コツコツとヒールの音が聞こえ、不安そうに辺りを伺いながら足早に歩いてくる小柄な女性が一人。 彼女がバス停から自宅に戻るには、ここを通るしかないのだ。 にもかかわらず。 「え?」 電信柱の手前で、急に彼女が左に曲がり路地に入ってしまった。 男は慌ててその後を追う。 女性は、男から一定の距離をおいて、しばらく歩き、そして止まった。 周囲は、民家もない空き地。 男はにんまりした。 「ぐへへ。りりかちゃーん、わざわざこんなところに連れてくるなんて、やっと僕ちゃんを受け入れてくれるんだねえ?ぐふふ。」
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