タイムスリップ

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「う・・・ううん?栞!?どうしたの!?発作!?」 開け放ったままの部屋から驚いた女の声が聞こえた・・・おそらく、保護したうちの女のほうだろう。 慌てて部屋に入ると女はこちらを振り向き、一瞬怯えた表情を見せたがすぐに険しい真剣な表情になり先ほどの焦った声ではなく、やけに落ち着いた声ではっきりと言葉を言い放った。 「緊急事態なので手短に言います。 水の入った桶と手ぬぐいを10枚ほど用意していただけますか? それと、この部屋にほかの人を絶対に近寄らせず、移動の際に足音をできるだけ立てない。声も絶対に荒げたりせず、落ち着いた声で話して下さい。」 俺たちが静かに頷くと、女は最後に一言いった。 「最後にもう一つ。」 「絶対に葵に触れないで下さい」
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