タイムスリップ

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それから少したち、男の方を抱き抱えるようにして体を支えながら背中を撫で、「大丈夫。私がいる。怖くないよ。私が守るから・・・」といった言葉を繰り返し優しく女は言い続けた。 男の呼吸は正常に戻り、今は落ち着いた呼吸をしているが、後遺症・・・というのだろうか? 手足が細かく揺れ、痺れているようで時々大きく跳ねる。 それを抑えるためか、布団に寝かせた男に女が水に濡らした手ぬぐいを男の首や手足の関節などに当てていた。 それを今まで黙って見ていた土方さんはついにしびれを切らしたのか、声は荒げなかったが静かに口を開いた。 「おい。もういいだろ?いい加減に状況を説明しろ」 土方さんがこんなに長く、悪く言えば敵かもしれない者に対して口を出さないのは珍しい。 おそらく、このふたりのことは信用はしていないが少なくとも演技をしてこの状況になったのではないと判断したのだろう。 それが分かっている局長と山南さん、そして俺も口を挟まず女の指示に従った。 だから・・・今度は女が説明をする番だ。 その際に下手な言い訳や少しでも怪しい言動を見せたら・・・ 敵とみなし、拷問されるのは間違いないだろう。
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