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「ん・・・」
人の複数の気配と左手に握られているような感覚で目が覚めた。
ゆっくりとまぶたを開けると、小さめの和風な部屋に体格のいい男たちが俺と塚ちゃんを囲むようにして隣の人と方がぶつかりそうな間隔で座っていた。
男たちは狭そうなのに俺の寝ている布団から少し離れたところにいる。
「・・・シュールだな?」
塚ちゃんは信じられないものでもみたかのような顔で俺をみて固まってるし、男たちは真面目そうな硬い表情で俺を見てくるし・・・
やっぱりシュールだな。
状況がシュールなこと以外全くつかめない。
「塚。今どんな状況なんd・・・」
「葵!!」
「ごふっ・・・」
突然塚が俺に突進してきて塚の肘が俺の溝内にはいった。
「ーーーーーー!!」
痛みで俺が悶えているなか、突進した勢いで俺のことを押し倒すようにしながら塚が抱きついてきた。
「げほ・・・塚?どうs」
「葵!生きてて良かった!もうダメかと思った!」
「勝手に人を殺すな」
頭をぐりぐりと俺の胸に押し付けながら叫ぶように言われ、思わず冷静にツッコミを入れてしまった。
生きてて良かった、か。
むしろ今おまえに殺されかかったけどな。
あー、溝痛い。
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