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「ですよね!!私に萌をありがとうございます!!」
「・・・頭大丈夫?」
「大丈夫!!腐ってるけど萌でいっぱいだから!」
「・・・そ」
「そんな冷たい葵王子もかっこいいよ!」
「あ、八木邸見つけた」
「スルーですか!!」
こんな会話を繰り広げながらも一切歩みを止めることがなかったからすぐに八木邸が見えてきた。
立ち止まると栞に置いていかれるからね!!
本当なら私は必死についていこうとしても栞は歩くのが早いし、
体力もあるからすぐにおいていかれちゃう。
でも栞はいつも私のスピードに合わせてくれて気遣ってくれる。
迷惑かけてるなぁ、なんて思いながらも無関心そうな顔をして無愛想な栞がさりげない優しさを見せてくれるのが嬉しくて・・・
たまに、わざと迷惑をかけてみたりしてる
ごめんね、栞。
私の前を歩く栞の背中に心の中で謝る。
いつもかっこよくてみんなに葵王子なんて呼ばれているけど・・・
「やっぱり栞も可愛い女の子だよね・・・!」
首元からちらりと見えたお揃いのペンダント
「つけてくれてたんだね・・・」
「ん?何か言った??」
「やっぱり葵王子はかっこいいけど、可愛い栞もいいなと思って!」
「八木邸の入場券買うか」
「またスルー!?」
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