始まりの朝

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ここは夜星学園 日本で一番の大きさを誇る男子校 時期は入学式が終わった5月… この日,一人の編入生がやって来た 名前は佐久間 紅 果たして紅はこの学園でどんなことを学ぶのか… それはこれからのお話… 紅は葉桜並木を歩きながら目の前にある大きな門を見て呟いた 紅)無駄にでかい…めんどくさい… 帰りたい…もう嫌だ…なんで学園なんか通う羽目になったんだっけ? 一人でブツブツ言いながら紅は2週間前を思い出していた 2週間前… コンコンコン… 大)紅?少し話があるんですが今,大丈夫ですか? 一人,ベッドに背を預け本を読んでいた紅の部屋を 扉を叩いたのは一ノ下 大和 元の秘書兼紅の世話役 紅)大和…?別にいいぞ ベッドに凭れながら扉に向かって紅は声をかけた 大)ありがとうございます 失礼しますね紅 大和はそう言いながら扉を開けた 大)紅,元が呼んでるので書斎まで来て貰えますか? 大和がそう声をかけると 紅)ん…わかった そういって読んでいた本に栞を挟んでとじ,机に置いた 紅)行くぞ…大和 紅はそう言って先に部屋を出た 大)今,行きますよ そう言いながら大和も部屋を出て紅を追いかけた しばらく歩くと紅はひとつの部屋の前で足を止め 紅)元?俺だけど… 元)開いてるから入ってこい 紅が声をかけると部屋の中からそう声が聞こえた 紅)入るぞ… 大)失礼します 紅に続き大和も一声かけ部屋に入っていった 元)いきなり呼んだりしてごめんな紅 そう言って紅声をかけたのは紅の養父 佐久間 元 紅)別に…本読んでただけだから それで話って何? 紅が話の先を促すと 元)まぁそんなに焦んなよ 少し長くなるから座って話すわ 大和コーヒー二つ頼む 大)分かりました紅砂糖等はいつも通りでいいですか? 紅)ん,いつも通りで… 大)すぐ淹れて来ますので待ってて下さい 大和はそう言って簡易キッチンに消えていった 元)なぁ紅…お前ってもう16だよな? 元はいきなり紅に向かってそんなことを言った 紅)いきなりなんだよ… 元)いいから,いいから♪ 紅)なんなんだよ…こないだ誕生日来たから16だけど… だから何? 元)お前さ,学校に通わね? 元が唐突にそんなことを言い出した
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