第1話

序章 プロローグ

『ISHIDA』。それはこの2030年において爆発的ヒットを記録したゲームの名前である。

独特のストーリー性が話題を呼び、発売してから2ヶ月足らずで完売してしまった。

もちろん俺こと久坂部 俊二（くさかべ しゅんじ）17才もその話題に乗り日夜ゲームをしている一だ。

なぜ普通日中は勉学に励み、青春を謳歌している頃、こうして一人で部屋に篭り、ゲーム三昧の日々を送っているのか？

原因はこの足にある。俺は高校一年の夏に「人が足りないから助っ人に来てくれ」というサッカー部の申し出を受け、試合に参加していた。

しかし、その試合の最中相手のファウルをくらい足を怪我してしまった。

でも俺は、「このくらいなら大丈夫」だと告げて試合を続行してしまった。この時すでに足の骨にヒビが入っていたのだが、俺はその事に気付かなかった。

その後、シュートを放とうとしたが足から靭帯の切れる嫌な音がなり響き、俺は満足に歩く事さえ叶わなくなった…。医者には、もう歩くことは出来ないだろうと言われてしまった。幾ら何でもと思ったが靭帯の他にも複雑骨折もしており、俺は現実を突きつけられた。