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梓さんの奥二重の吊り目がちな瞳と、高城さんのぱっちり二重の瞳、合計4つの瞳に見つめられて───とうしよう、背中に汗が伝う。
ダラダラダラ。
男の人とこうしていることですら慣れてないのに、なにこの状況は!?
「……えーっと、予想外とは?」
コテっと首を傾げる高城さんは苦笑い。
チラリと梓さんを見れば、高城さんの言葉に同意を示すように頷いた。
いやー…だって本当に予想外な展開なんだもん。
「……いえあの……本当は、こんな時間まで、残ってる、つもり、なかった……といいますか……」
気付いたら、この時間だったあたしにとっては予想外なんです。
2人は、ポカーンという言葉がぴったりな顔をしていた。
え?え?
いったいどんな答えを望んでいたんですか?
「じゃあ、なんでいんの?」
はい、その通りですね。
コクコクと頷く。
「いや、口で言えよ」
ご、ごもっともです。
またコクコクと頷く。
すると、はあーっと大きな溜め息。
ビクッと肩を揺らして梓さんを見上げると、高城さんの後ろの席の机に長い足を投げてして腰を預けていた。
こうして制服姿の梓さんを見ると、少しは年相応に見えるもんですね。
いつもはもう少し大人っぽく見えるから。
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