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梓さんは、多分彼女はいないはず。 それを由梨ちゃんが知ったら、梓さんに好意を抱くのかな? 胸がチクチクして痛い。 「ねえねえ、小夜ちゃん。今度、4人で遊ばない?」 「……4人?」 「うん!あたし達と、梓くん達。弘樹くんが遊ぼうって誘ってくるんだけど、あたし彼女持ちには興味ないんだよね。だけど、彼等面白いし、4人でなら遊んでもいいかなーって」 片付けも終わって、制服に着替えると由梨ちゃんの発言に驚く。 高城さん、彼女さんいるのに由梨ちゃんと遊ぼうとしているなんて!! けしからん! 「まあ、遊ぶくらいなら2人でもいいんだけど……」 え?いいの? 彼女さんいても、遊んでいいものなの? 「どうせなら、梓くんとも遊んでみたいし。でも、連絡先知らないから、こっちは2人だから、弘樹くんに梓くん連れて来てくれたらって言おうかなって」 「ね、どう?」なんて聞かれても、簡単に頷けない。 だから、ちょっと考えさせてって言えば「堅苦しく考えないでよー」と、肩を叩かれた。 堅苦しいのかな。 高城さんの彼女さんに悪いって気持ちも勿論だけど、明らかに梓さんを狙っていそうな由梨ちゃんと梓さんを合わせたくないってのが本音だなんて言えない。 初めてできた、男の人のと、と友達だし。 あたしのような太った女に優しくしてくれる稀な人を失いたくない。 今はまだ、この芽生え始めた恋心に蓋をしたくないの。 だって、もし由梨ちゃんと梓さんが付き合ったりしたら、あたしなんて適うわけがないのだから…………
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