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* 「なんか、梓さんイライラしてる?」 「あ、もしかして生理っすか~?」 「……え、おれは言ってない」 おれがイライラしてるだと? まさかと思うが、いやイライラしてんのか。 図星をつかれたから目の前のガキ共を睨んで、3人はビクビクと肩を揺らしてる。 今日は小夜の体育祭があると聞いて弘樹を誘って応援に行って、不器用なりに一生懸命やってる小夜をこっちも気づけば命一杯応援していたわけ。 んでちょっと野暮用があったから帰るわと言えば、いつものモジモジが始まってからかってやった。 「帰ってほしくない?」 顔を真っ赤にする小夜が面白くて、つつけばつつくだけ色んな顔をするから更にこっちもエスカレートしたくなって。 でもあんまりからかうと、真理子と違って小夜は泣きそうに顔を歪めるから、あ、限界だなって止める。 このやり取り意外と気に入っているわけで、体育祭を最後まで見届けてやりたいと思ったけど、そうもいかないおれは近くにいた野郎の紙を強引に奪って、自分の番号とアドレスを教えた。 「終わったら連絡してこい」ってよ。 んで、今はとっくに体育祭も終わって家に帰ってるだろうって時間なわけだ。
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