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流星がチラッとこっちを向いて手を振ってくる。 おい、こっち見んじゃねーよ。 「あっ、バレた」 おう、バレたな。 小夜が顔を上げて、大きな瞳をパチクリさせて一旦停止。そして、一気に顔が青くなっていく。 ははあん、アイツ自覚はあんのね。 おれが連絡しろつったのにしてこなかったことへの。 「ぶっ!!子豚ちゃんの慌てようがっ…ぶはっ、ダメあの子おもしれー!!」 「……それは知ってる。が、うるせー」 ゴツンと弘樹の頭が良い音を立てる。 すると「叩くな!痛い!」と、耳元で叫ばれて、顔を手で押し退けた。 さあて、どうしてくれよか? おれ今めっちくちゃ虫の居所悪ぃのよ。 誰のせい?それはお前だろ。 なあ、小夜───────────
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