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ヤバい。 汗が有り得ないくらい溢れてくる。 額、背中、なかでもにぎったら手の汗が半端ないですっ!! どうして此処に(ファミレス)に梓さんがいるのーーーーっ!? 誠さんとたわいない会話をしながら駅前まで戻って、一番人気のあるファミレスに入る。 食事時で人が多くて暫く待つかもねって誠さんに言われて、お腹すいたなーってグゥグゥ鳴るお腹をさすっている間に、意外と待たずにすんなり案内された。 「好きなもの頼んで。今日は奢るから」 誘ったのはおれだしね。と、ウィンクをパチンなんて、漫画の中の王子様のようでドキドキした。 「決まった?」 メニューと睨めっこすること数分。 あたしの優柔不断さはこんなところで発揮されて、オムライスもいいな、ハンバーグもパスタも捨てがたいなあって悩んでいると 「ふふ、焦らなくていいからね」 なんて、穏やかに微笑んで待っていてくれる。 ああ、なんて優しいんだろう。 よし!今日は、いっぱい頑張ったからハンバーグだ! 「じゃあ、ハンバーグで……」 あ、でもピザも美味しそう。 「ハンバーグランチと、生姜焼き定食……それと、こっちのピザもお願いします」 パタンとメニューを閉じた誠さんを凝視する。 え?誠さんって、そんなに大食いだったの? 「ピザ、食べたいなあって。悪いけど、全部食べれないと思うから小夜ちゃん協力してくれる?」 首を傾げてニコッと。 やった!!ピザ実は食べたかったんです!とは言えず、だけどあたしも笑顔で「はい」と答えた。
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