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「ん、そうだね。あ、一応この子にも勉強教えてたんだよ。鈴木くんと違って真面目な生徒でね~」
さっき叩かれたのが痛かったから、爽やか青年の誠さんが珍しく嫌みを漏らす。
びっくりして誠さんを見つめちゃったよ。
「おれ、生徒じゃねーし!!それは浩介でしょ~」
「そう言えば1人なの?那智くんとかな?」
「ん。あっちにいるよ~」と、遠慮なくピザに手を伸ばす少年。
すごい図々しい。
だけど、「うまっ!!」と、ヘラッと笑った顔が可愛くて憎めない。
「先輩達に連れて来てもらってて、あ、なんかお姉さんのこと知ってるっぽいよ~?」
やっと少しだけ少年がいることに慣れて、切ったばかりのハンバーグにホークを突き刺した時に言われた言葉に首を傾げる。
「ほら」と、後ろを振り返って手を振る少年につられてハンバーグを口に頬張る手前で顔を上げたまま、思考停止しました。
「あれ?なんか睨まれてる?」
なんで?なんで?と、クッエンションマークを浮かべながら、またもやピザに手を伸ばした。
ああ、あたしが食べれる量か減る………じゃない!!こんな時に食い意地張っている場合じゃない!!
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