序章

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序章

白。  目を開けて飛び込んできたのは、真っ白な空間。周りを見回しても、すべてが真っ白だった。恐怖すら感じるその静かな空間に、ただ一人、浮かんでいた。  金縛りにあったかのように動く事の無い体。足は地についておらず、浮遊感覚だけがあった。  ドクドク。  耳に大きく聞こえる鼓動。まるで、空間全体に響いているようだった。そして、夢にしては鮮明な情景やリアルな感覚に、心臓が高鳴っていた。  夢だと思い込もうとしても、落ち着かない心臓。  恐怖。不安。戸惑い。  これが今の自分の気持ちを占めていた。  数秒か数分が経った後、前触れも無く声が響いた。 「選ばれし者よ、我の願いを叶えよ。汝は我の世界を救わなければならない。それが使命だ。もちろん、汝が不便ではないように、取り計らおう。では、健闘を祈る」  そして、気を失った。
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