序章

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「そうだね、すずか…悟志君私たちはそんなことをしません。してもいません。そしてする気もありません。私たちは大体月に一度輸血パックを摂取することにより吸血衝動を抑えてきました。それをこれからも続けていくつもりです。ですから先ほどの言葉を撤回してください。お願いします」 「そうか、だったら撤回しよう済まなかった。それに人を襲わないのであれば俺は貴方方を襲う気は無い、それに見かけはこれだがこれでも俺はかなりの長寿でな何か悩みがあれば相談に乗るが何かあるか?」 そう言うとすずかが話し始めた。 「私はさっき言ったように二人の大事な親友が居ます。だけど私は夜の一族だということがばれるのが怖い…皆に嫌われるのが怖い…光瀬君は自分のことを神さまだと言っていましたが他人に化け物だと思われることが怖くないんですか…」 俺は紅茶を一口飲み話した。 「確かに人間は自分たちより強い力、自分たち以上の生物に対して化け物と呼び忌み嫌う。別にそれ自体はおかしなことではない、誰だって吸血鬼だって相手が常識離れの何かなら恐怖する。俺がそのいい例だ……すずかお前はさっき言っただろなのはとアリサは自分の大切な親友だって、なら大丈夫だきっとそいつらならお前の正体を知ったとしても受け入れてもらえるさ」 「で、でも……」 すずかは自信が持てずこれ以上自分を卑下しそうだったから俺は席を立ちすずかの席まで行き膝をつきすずかの手をとった。 「すずかは俺を化け物だと思うか?俺は数えきれないほどの生物を殺した。勿論殺す前は何も考えなかったわけじゃあない、けれども殺すときは何も考えなかった。そんな俺は化け物じゃあないか?」 「ううん、光瀬君は化け物じゃないよ。だって光瀬君はきついことも言うけどきっと心の中は優しい人だもん、そんな人が化け物なんかじゃない」 こんなやさしい言葉を誰かからかけてくれたのはいつ振りだろうか、俺は「ありがとうな」と言って続けた。 「俺みたいなやつが化け物じゃないならすずかみたいなやさしい女の子が化け物なわけがないだろ、それに本物の化け物は相手に嫌われるかどうかなんて考えやしない。どうしても不安だっていうなら俺が保証してやる、すずかは体質で血を呑まなきゃならないただの人間だ、それ以上でもそれ以下でもない人間だ。それから俺のことは悟志と呼んでくれ」
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