序章

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「なあ、こいつどうする……?」 ?知らない声が聞こえる 暗くて前が見えない……目隠しされてる? 「捕まえたのはお前だ…ならば、お前の好きなようにすべきだと、俺は考える」 最初に聞こえた男とは別の、妙に芝居掛かった口調の男の声が聞こえる って……あれ?なんで……僕目隠しされてるんだろ しかもご丁寧に手足まで縛って… ここは…教室かな……? 「にゃろう、面倒だからって逃げやがった……」 ………ああ、大方授業中に寝てて、昼休みになっても起きないからふざけたクラスメートがおもしろ半分にやったってとこか それで、やったはいいけど、どうしよう……って感じかな まったく、始末に困るなら最初からないでくれればいいのに 「怒ってないから早く目隠しはずしてよ。あと手首と足首の縄も」 「あ?なんだガキ、起きてたのか」 そう声がしたかと思うと、僕の目に巻かれた布が取られる 「うん、今さっき………どちら様?」 目隠しが取られ、誰がやったのか顔を見るが……全く見覚えのない人物で思わず問いかけてしまう 見た目は目つきの悪い、柄の悪そうな人物だ日本 それに、場所も教室ではなく、どこか使われていないビルの一室だった 「あ?誰って……殺し屋さんだ」 男は少し考える素振りを見せた後に、さらっとそう言う 「ん?コロ・シヤさん?」 「なんだその犬みたいな名前は、殺し屋だ」 「……物騒かつ変わったお名前ですね」 「本名なわけねーだろ。職業だ職業」 「……はは、まさか日本に殺し屋なんて……居るわけ……」 と、最後まで言いかけたところで、ふと目覚める前までの記憶がフラッシュバックする そういえば……学校の帰り道に……ふらっと立ち寄った人気のない裏路地で、殺人現場を目撃したような… そして、殺してた犯人………今俺の目の前に居るこの人だったような 「あ、なるほど、これは夢ですね」 「清々しいくらいベタな現実逃避だな、おい」 「でなきゃ、僕が殺人現場なんて目撃するはずないじゃないですか。これは夢です夢であって欲しいです。夢であってください~~~!!」 俺はその場でそう喚く 「現実逃避が願望に変わってるぞ」 冷静なツッコミいらない!
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