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痛みの中、景壱の意識は少しずつ薄れていく。
ぼんやりと、自分は死ぬのかな、と景壱は考え始めていた。
その時、誰かの叫び声が聞こえた瞬間、景壱の周りに居た争う者達が消えた。
景壱が頭を起こすと絢香が櫂を振り回し、景壱に近付く者を薙ぎ払っていた。
「いけません! ここの者達に、あの世の住人である私と貴方が干渉してはいけない決まりが……」
「それがどうした! どんな罰を受けるとしても大事なもん守る為だったら、俺は喜んで決まりを破る!!」
言いかける咲々羅に、そう言い放つと絢香は景壱を担いで門まで走る。
門の前には恭治がおり、鉄の棒を持ち床に座っていた。
その周りに何百人もの人が転がっていた。
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