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店の前で煙草を吹かしている恭治が雪童子をすんでのところで避けたが、景壱までは避けきれなかったのか、ぶつかり転んでしまった。
「す、すいません!」
大して強くぶつかった、つもりはないが恭治が派手に転ぶものだから景壱は驚いて、慌てて謝った。
「若者は元気が一番って言うけどさあ、元気過ぎだよぉ。危うく天の迎えが来るかと思ったよぉ」
そう言って恭治は立ち上がりながらズボンの汚れを手で払う。
「本当にすいません」
景壱が深々と頭を下げると恭治が、その肩を、ぽんと叩く。
「大丈夫、気にしてないよぉ。こんなの芋焼酎飲めば治るからさぁ。そうそう芋焼酎と言えば近所の酒屋に良いのが……」
暗にねだっていると言うより、これでは芋焼酎を買ってくれたら許す、と直接言っている様な物である。
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