汚れのない純粋

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「……芋焼酎奢らせていただきます」 「え、良いのかい。そんなつもりは無かったんだけどねぇ」 わざとらしい口調の恭治に景壱は明らかに呆れた表情を浮かべる。 「何してるの? 虐められてるのお父さん?」 店の通りの曲がり角まで行っていた真白が戻って来て不安そうな表情を浮かべている。 「違うよ。お父さんのお仕事の仲間だよ」 「でも、実は食べる為に本性を隠してる化け物なんだよぉ」 にやけながら恭治が言うと、ただでさえ低い気温が一気に冷えるのを感じた。 「お父さんを食べちゃだめぇ~!!」 真白の近くの水溜まりが凍り付いていく。 「妖気で妖怪だってのは分かってたけど何者だいこの子はぁ?」
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