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布団から起き上がると震えるような寒さを景壱は感じた。
そして何気なく彼が窓を開けると柔らかそうな雪が初めて見る世界を見物でもしているかの様にゆっくりと落ちて来るのが見える。
「珍しいな。こんなに早く雪が降るなんて」
彼は雪を眺めながら、自分の中の童心が顔を覗かせるのを感じていた。
「景壱、お店は行かなくて良いの?」
下の階から母親の声が聞こえ我に返ると、彼は食事をしに階段を降りる。
「見て見て雪が降ってるわよ」
景壱の母は嬉しそうに鼻唄を歌いながら、窓の外を眺める。
「俺も見とれてたんだ。寒いけど雪が降ると何か嬉しくなるよね」
食卓に座りながら景壱は、そう言うとハムエッグの黄身を潰し食事を始める。
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