汚れのない純粋

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「お父さんの家からだよ」 「お父さんて今何処に居るんだ?」 「そこ!」 子供の指先が示している方を、間違いではないかと言わんばかりに店長は何度も繰り返し見る。 「ち、違うんです!」 「何が違うんだよ! この不良が!! 相手は誰なんだよ!! 責任取れんのか馬鹿野郎!!」 取り乱す店長を宥め様と口を開こうとするのだが、その度に何かを言われ、景壱は金魚の様に口をぱくぱくする事しか出来なかった。 「何を揉めてるのですか?」 「麗香、聞いてくれよ。景壱が不良になっちまった」 「いや、だから……」 「あら、雪童子(ゆきわらし)ではありませんか?」 子供の顔をまじまじと眺めながら興味深そうに麗香は言う。
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