第2章

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 TVではCMが明けて、先程まで流していたバジュラが船団を襲う映像から一転スタジオが映し出され、コメンテーターの宇宙科学の第一人者だという学者がバジュラがフォールドクォーツに引かれる習性があると、世紀の大発見だと言わんばかりに説明している。  SMSでは新人隊員に初期で説明されることが学者にとっては凄い大発見なのは、それだけ一般には情報が漏れていない証拠でもある。  そして司会者がもう一人のコメンテーターに意見を求めた。  テロップには元軍人で、軍事ジャーナリストと紹介されているのを見て、カンナは嫌な予感がした。  元軍人ということは現在その職を離れていて、機密にしなければならない物も、制約も何もないので知っていることを軽々と話してしまうからだ。  SMSのことを憶測などで話されることで、視聴者にそうだと思い込まれても困る。  カンナは固唾を飲んでコメンテーターが話すことを待った。 『皆さんも、バジュラの襲撃はギャラクシー船団が計画したことはご存じですよね。私は今回、これに焦点をあててお話したいと思います』  そう告げると、元軍人の説明と共に二つの船団の航行ルートなどがCGで表れた。
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