第2章

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『でも、エティアさんはギャラクシー出身でありながら、インプラントを入れていないのがウリでしたよね?』  進行役からの質問に、元軍人は大きく頷く。 『そうです。ですから私はエティアさんは強制的に何らかの形で操られていた、もしくは逆らえない状況であったのではないかと思うのです。そう考えれば冒頭で放送した映像のように、エティアさんがクレアさんと共に最前線で歌ったことにも説明がつきます』 『ギャラクシーからの束縛から解き放たれた、と』  進行役が意見をまとめると、元軍人はテーブルの上のタブレットを指で2・3回タッチした。 『こちらをご覧ください』  タブレットの上に小さく人物像が投影され、カンナとエティアは息を飲んだ。 『こちらはエティアさんのマネージャーを務めていたグレイスという人物であり、エティアさんが以前スパイ容疑で逮捕された時に、彼女もまた同容疑の他にいくつかの容疑で逮捕されました。そして、マネージャーが何も知らずにエティアさんと共に居たとは考えにくいのです』 『では、このマネージャーが強制的にさせていた?』 『そう考えるのが妥当でしょう。どうやってエティアさんを操っていたのかは分かりませんが、その所業はまるで悪魔のようですよ』
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