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「お前の言い分も分かるけど、ただ止めただけでは誤解されたままで意味がないだろう?」
「じゃあ、どうしろって言うのよ!」
怒ったままのエティアに何か解決策を提示したいがそう簡単に思い浮かばず、彼女の気が済むなら行くべきかとも思った時だった。
不意にカンナの携帯電話が鳴り一瞬出るのを躊躇ったが、掛けてきた相手の名を確認して出ることにした。
「もしもし、すみません、今ちょっと立て込んでて…。え?はい、見てました。…そうです。隣にいます」
カンナはチラッとエティアを見ると、電話を彼女の方へ渡す。
「キャシー大尉から」
キャシーが何の用?のんびり話してる暇なんてないのよ?と言いたげな顔のまま、それでも携帯を受け取った。
『もしもし、エティアさん?今、私の方でもTV見ていたんだけれど、これ、貴女は何も知らされていないわよね?』
「当たり前じゃない!こんな内容、私が許可するとでも?今から放送止めさせようとしてたところよ」
『今から貴女が行って止めるよう言っても、おそらく最後まで放送されてしまうわ』
「そんなの分からないじゃない!とにかく、今忙しいの」
エティアが勢いのまま電話を切ろうとした時、キャシーの切らないで!という声が響いた。
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