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「カンナ、これ…知らないわよね」
「俺が戻る前で、お前がまだ眠ってる頃のことだろう。キースからクレアがマスコミに追いかけられてた時期があるって、聞いたことある」
「護衛とか就けなかったの?これ、危ないじゃない」
「心配した隊長が申し出たらしいんだが、SMSは復興で忙しいから良いって断られたらしい」
カンナの話を聞いて、エティアは手をギュッと強く握りしめた。
自分が気を失っている間も、こうして戦っていた人たちがいたことを、改めて思い知らされた。
目覚めてから歌手として正式に復帰するのに、一度は死刑宣告を受けた身であるが故にかなり時間がかかるか、もしくは活動が出来ないのでは?と思っていた。
それがリハビリを終えて心身共に普通の状態に戻った頃、エティアの復帰ステージが用意されていた。
裁判のやり直しなども無く、ただ告げられた「無罪放免」に、戸惑いを隠せなかった。
黒幕がいてエティアは利用されていただけであり、なおかつ彼女が自ら戦いを終わらせるために正しく身を削る思いで戦ったことが評価され、彼女が眠っている間に話はまとまっていた。
もちろん、そうするためにSMSが動いたのは言うまでもない。
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