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「そうね、戦争が終わってこの惑星に降り立っても、やらなきゃならないことは山積みで…。その中で私が軍にいるのは私の意思よ」
キャシーは一度言葉を切り、天井を仰いだ。
「SMSのみんなに軍を辞めてこっちに来いって誘ってもらって、凄く嬉しかったわ。私は出向で来た、いわばお客さんのはずなのに、重要なポジションを与えてくれた艦長にも感謝しているし、ブリッジのみんなにも良くしてもらった。これからもずっと一緒に仕事したいと思った。だからこそ、私は軍にいなきゃいけないのよ」
「どうして?」
エティアの問いにキャシーは笑みを返す。
「大切な人たちを守るためかしら。先の戦役でSMSは確固たる地位を築き上げたわ。いろんなことが優遇されるし、発言力も持つと思う。だからこそ、私は違う角度からSMSを見れる立場でいようと思ったの。これから先何かあったとして、私までみんなと一緒であるがために助けられないってことがないように。力がある人こそ、一定の距離は置くべきよね」
エティアはキャシーの横顔を、改めて綺麗だと思った。
元々美人だとは思っていたが、今話している彼女は強さを兼ね備え、しっかり前を見ているから美しいのだろう。
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