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「…キリナは反対しなかったの?」
「しなかったわ。したとしても、押し切るつもりだったけど、むしろ賛成してくれた。俺は飛ぶことしか能のないヤツだから、余計なこと考えずに飛び続けられるようにやってくれ、ですって」
キリナらしい賛成の仕方に、エティアはクスリと笑った。
「エティアさんとクレアさん、そして五月少尉の戦いを見て、側で共に戦うだけが戦いじゃないって教えられたのよ」
「私たちの?」
「ええ。二人が歌って、少尉がそれを運ぶ。あのとき、誰か一人でも欠けていたら、私たちは今こうしてここにいなかったでしょう。近くにいなくとも、やれることはあるから私は敢えて軍に残ることにしたの。とは言っても、出向は引き続きやれるよう手続きしたけれどね。籍は軍だけれど、しっかりSMSで働くつもり」
「言ってることが滅茶苦茶ね」
「そうかしら?SMSにとって悪い状況が出たら、軍人の私がやれることをして助けるのよ。逆もしかり。理想の形じゃない?」
堂々と言うキャシーを見て、エティアはこの人が居ればSMSにとって不都合なことなど起こり得ないなと思ったのだった。
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