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「おれは確かにタツオのボディガードだけど、脇役にも脇役の誇りってもんがあるんでな。そうやすやすとカザンにはやられない」  ジョージがきいた。 「その球はなんだい? このところ寝るときも握ってるよね」 「鋼球を硬質ウレタンで包んだものだ。なかがジャイロが入っていて、回していると慣性でひどく重くなってくる。握力増強のための最新の玩具だ」  ジョージが涼しい顔でじっとテルを見つめた。大食堂のざわめきが遠くなる。 「きみが狙ってることはわかった。うまくいくといいな」  テルはショルダーガードをつけたフットボーラーのような肩をすくめた。 「ああ、そうだな。おれもジョージが考えていることはだいたいわかる。おまえのあのおかしな特訓だけど。おたがい『呑龍』には苦労するな」  ボディガードがタツオを横目で見て、にやりと笑った。
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