412人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「あれ?言ってなかった?私、トマトは嫌いなの。見た目は滑らかで色も幸せそうなのに、中は簡単にぐちゃぐちゃになるし……タチの悪い恋愛みたいで裏切られた感じしない?」
「トマト、美容にいいんですよ?」
仕事が一段落し、只今遅めの夏季休暇中。同じ部署の後輩・愛名(あいな)ちゃんと、女2人で韓国の夜を満喫している。
「トマト以外で補うわよ。あ、でもキスは好きなの。なんならセックスするより好きかもしれない。とにかく、恋はしなくてもキスはしたいとか、そう思う時ない?」
「ないです。恋をした人とキスがしたいんです」
参鶏湯を食べながら、愛名ちゃんは私の話に付き合ってくれるものの、共感はしてくれないらしい。
最初のコメントを投稿しよう!