rule 2

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 「うわ、部屋きれいですね」  「そうですか?」  「俺のところとは大違いだって、そりゃ女性だから当然かぁ」  いつもはもう少し散らかっています。休みに一気に片付けることがほとんどで、それまではとてもお見せできるような状態にありません……と、知られたくない事実を心の中で呟いて隠す。  「これは彼氏さんがいつ来てもOKですね」  「えっ!?」  「これだけ綺麗なら、男も呼べるでしょ?」  「私はそういうことしないから」  「……凛子さん、真面目そうだもんね」  「ありがとうございます」  その真面目という言葉の意味は、いつからかプラスの意味で解釈するようになった。真面目イコール地味とは言われたくないのだ。  決して世間でいう『干物』ではないし、単に仕事が多忙なだけのおひとり様なのだ。それが悪いことのように言われるのが、私は気に食わない。
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